建築士に関する用語
建築士になるために、これからたくさんの知識やスキルを身につけます。建築士になる上でよく使う&覚えておきたい業界用語をまとめました。
養生
養生は、仕上がり部分を保護することです。建築業界に限らず、現場職に従事する人はお馴染みの建築用語でしょう。シートや板で保護し、傷つかないようにします。引っ越しや家電製品を運ぶときにブルーシートで保護するのも”養生”です。養生は現場に入る際、必ず実施する作業。”養生しない現場はない”と言っても過言ではないでしょう。養生は無料サービスではなく、見積もりに費用を加算します。
サブロク
サブロクは素材サイズのことです。表記にすると、3×6と書きます。3尺×6尺サイズですが、一般的な畳1枚分とイメージしましょう。サブロクサイズは、壁面や石膏ボード、合板などの標準差サイズとして採用されています。現場でよく使用する事業用の軽バンは、サブロクサイズが載せられるように設計されているため、あらかじめ覚えておくと良いでしょう。
入隅・出隅
建築士や作業するスタッフがよく使う用語です。建物のほこりが溜まりやすい部分のことを”入隅”(壁面と壁面の重なり合っている角部分や)、ぶつかると痛い部分のことを”出隅”(天井より低い部分にぶつかる出っ張りがある部分)と言います。特にクロス工事に入るときによく使う用語です。家のデザインによっては、壁面によって、クロスデザインを変更するパターンもあります。ちなみに、現場では出隅に接合部を持ってくると剥がれやすくなるため、柄の違うクロスは貼らないようにしている建築士さんも多いようです。
笠木
壁の最上部に取り付け材料のことです。素材は木材に限らずたくさんありますが、壁付収納を作る際に使います。主に使用される場所は、キッチン収納の壁付収納やウォークインクローゼット収納など。新築時だけでなく、リフォームでもよく取り入れられているので、今後建築士として活躍するときによく使うかもしれません。
はめ殺し
いらない何かを閉じ込める、または使えなくするといった意味で使われる建築用語です。例えば”はめ殺し窓”と言われたら、はめ込んだまま開閉できなくて使えない窓という意味になります。パッと表現されると少し身構えてしまう用語ではありますが、建築業界ではよく使用するので覚えておきましょう。ただし、お客様がいる場合は他の言葉で置き換えることをおすすめします。
長押
近年では、壁付の装飾品としても使用されていますが、元々は、柱と柱を支えるための構造材です。建築士の用語では”なげし”と呼ばれています。技術の発達により、構造材としての役割は薄れているので、あまり聞き慣れない言葉に変化しつつあるようです。賃貸アパートではあえて壁に長押を設置し、空間スペースを活かし衣類をかけておけるように取り入れることもあります。
枕棚・中段
和室の押入れ収納で、板を入れて3段に収納スペースを作られているのをみたことがあると思います。旅館の布団収納スペースをイメージすると、わかりやすいでしょう。一番上の棚が枕棚、真ん中の棚が中段です。近年ではクローゼット収納が主流になってきたものの、一番上の枕棚はよく取り入れられています。
雑巾摺
“ぞうきんずり”といって、押入れの中の床と壁の境部分にある細い木材です。昔は押入れの中を雑巾で掃除していたため、壁が汚れないように保護する役割を持っていました。また、壁と床の隙間を隠す役割も持っています。木材は、湿度で伸縮するため少し隙間を開けるのがポイント。掃除しにくい木材の隙間に埃がたまるのを防ぐ意味もこめて、雑巾摺をあえてつける建築士もいるようです。掃除機をかけるときに壁に傷がつかない効果もあります。
廻り縁
天井の縁取りに、細い木材を入れることがあります。洋室によく使われる建築法なのですが、雑巾摺の天井バージョンと認識するとわかりやすいでしょう。天井と壁を分けるための線引きとして視覚的にわかるようにあえて設置したり木材収縮の隙間隠しをしたりなど、雑巾摺と同じような役割を持ちます。
まとめ
建築士になるためには、スキルはもちろんたくさんの用語を覚えなければなりません。一般的によく聞く用語から、学ばないと知らなかった用語までたくさんあります。何気なく使いがちな用語ですが、意味を把握して適切に使えるようになりましょう。専門学校に入る前に、頭の片隅に置いておくと、入学してからの授業がスムーズに理解できるかもしれません。他にもたくさんあるので、なんとなく意識してみてくださいね。