建築士にも関係する環境工学とは
環境工学とは?
環境工学というのは、地球の環境を維持しながら人の経済活動も発展することを目的として科学技術を研究する学問のことを指します。
主に建築技術からアプローチする建築環境学、リサイクルなど環境保全の都市化環境学、汚染や災害メカニズムの研究をする地球環境学などの分野があります。
特に、建築環境学は建築士にとっても深くかかわりがある分野で、人と環境に配慮した住空間の建築をメインのテーマにしています。
研究対象は複数ある
環境工学は、環境というテーマの性質から研究対象が幅広くあります。主な研究対象として、水・土壌・大気・気候変動・エネルギー・環境リスク・生態系はもちろん、廃棄物や放射線など、その範囲は多岐にわたります。それに加え、自然科学、社会学、心理学、政治学などの社会科学的な視点も合わせて必要であるため、大学では一部の分野に特化して扱っている場合が多いです。環境工学の全分野を網羅している大学は少ないので、受験前にある程度進路を具体的に考える必要があります。
環境工学に関わる学問
環境工学は、人と地球が健やかに発展していくために必要な分野です。地球の環境がテーマである以上、その分野は非常に多岐にわたり、問題とその解決策を研究するためにそれぞれの専門分野と関わっていく必要があります。そのため、環境工学が関わっていく学問もかなり広範囲に及びます。
その関係学問のなかでも、特に土木工学は重複する領域が大きい分野です。土木工学は、道路・水道など、人々が暮らしていくのに必要な設備・整備に関する学問です。
例として水道で考えてみても、安心・安全な水を人々に提供すること、必ず排出される汚水を環境に配慮しながらどのように処理していくか。このように水に関わる環境を整えるという意味で、土木工学と環境工学の連携は不可欠なのです。
もちろん、建築学においても環境工学と深く関わりがあります。住宅やビルなどの建築においても、災害に強い・省エネなど、環境に配慮した建築を求められる時代です。
他にも廃棄物やリサイクルなどの環境工学は、資源やエネルギーとも深く関わってきます。
また、人体や大気・水など環境に対する汚染の研究も環境工学に含まれるため、医学や薬学とも関わりが深く、その分野の出身者も環境工学には多いと言われているのです。
建築士試験の出題科目にも含まれている
建築士の試験において、環境工学は2級試験の「計画」、1級試験の「環境設備」として含まれています。環境工学は非常に分野が広いこともあり、「環境設備」に関してはやや難しいと言われていますが、対策として出題傾向を研究、ある程度分野を絞って勉強すれば高得点も狙えます。