建築士に物理は必要?
ここでは、建築士になるために物理がどれだけ必要になるかを紹介します。
建築士の試験範囲と物理の範囲
建築士になるには国家資格である「二級建築士」や「一級建築士」などの資格を取得しなくてはなりません。そのためには、試験範囲において物理分野がどの程度出題されるのかを知っておくことが重要です。
二級建築士試験の試験範囲
- 建築計画
- 建築法規
- 建築構造
- 建築施工
二級建築士の試験の中で物理を使う分野は、建築計画と建築構造です。
物理を使う分野の問題の全てが、物理を使わなければ解けない問題で構成されているわけではありません。ただ、物理を使う問題を全て無視するわけにもいかない程度には出題されます。
大学の建築学科に進学すれば、基本的に建築士試験を受験する際に知っておかなければならない内容を講義で習うでしょう。専門分野として、最低限の勉強はしておく必要があります。
一級建築士試験の試験範囲
- 建築計画
- 建築環境・設備
- 建築法規
- 建築構造
- 建築施工
一級建築士の試験の中で物理を使う分野は、建築環境・設備と建築構造です。
二級建築士の試験と一級建築士の試験内容が違いますが、一級の建築計画と建築環境・設備が二級では建築計画として一つにまとめられています。一級建築士では「構造力学」の問題が出題されますが、大学4年生までに習う構造力学の分野での出題です。
構造問題で得点できないと合格は難しいですが、ほとんど暗記に近い問題であり、過去問や例題を数多く覚えることで対応できるでしょう。
物理ができなくても建築士は諦めなくて良いのか
物理ができなくても、建築士を諦める必要はありません。
建築士資格を取得するには、大学4年までに習う程度の物理は必要ですが、何も物理が得意でないといけないわけではないのがポイントです。
実際、建築学科のある大学を受験する際、受験科目として物理を解かなくても入学できる大学はたくさんあります。建築士になりたいのであれば、どのような学科に進む必要があるのかを踏まえて、物理が苦手でも入学できる大学を探すのも一つの方法です。
また、実際に建築士になっても、物理を使わなくても問題ない業務も多くあります。
物理が苦手でも建築学科に入学して問題ない?
大学の建築学科に入学した場合、建築士試験に必要な分野の授業は必修科目である場合があります。そのため、物理を必要とする講義が必修となるでしょう。
物理を勉強することなく大学生になった人や物理が苦手な人の場合、単位を取得することは難しいかもしれません。しかし、一度単位を落としてしまっても、翌年にもう一度履修することもできる可能性はあります。真面目に講義を受けて学ぶ、周りに相談してみるのも大切です。
また、大学で習う物理も基本的には高校物理の応用となります。入試で使わなかったとしても、高校物理の勉強は必要でしょう。建築士になりたいという希望があるなら、最低限の努力はしておくべきです。
実務で必要な物理の範囲
構造設計では物理の力学、設備設計では物理学の電気、流体関係の知識が必要となります。しかし、そこまで難しい理論を使うわけではありません。学生時代は苦手であっても、実務で経験を積んで行くことで理解が進み、覚える人も多くいます。
どうしても物理に抵抗がある場合は、最初から意匠設計を目指すのも一つの手段でしょう。意匠設計は建築学科の中でも、人気のある分野です。
まとめ
建築士になるだけであれば、最低限の物理を勉強しておけば苦手な人でも問題ないでしょう。
構造設計や設備設計の分野であっても、実務面で必要となる物理の知識は大学4年までに習う範囲で十分ですし、実務で経験を積むことで覚える人もいます。人気のある意匠設計の分野であれば、実務においてもほぼ物理を使うこと無くこなすことが可能です。
しかし、建築士試験を突破するには最低限の物理知識は必要です。建築士になりたいという希望があるのであれば、勉強しておいて損はありません。