一級建築士になるには
資格取得や実業務に関する情報など、一級建築士になるにはどうすればよいかを調べてまとめました。
一級建築士になるための試験概要と実務要件
一級建築士の資格試験を受けるためには、建築士法に基づいた受験資格のクリアが必須です。平成20年11月28日に改正した建築士法のうち受験資格が改定された新要件と、改定前である旧要件の両方を紹介します。
受験資格の改定
平成20年11月28日から改正建築士法により、受験資格が改定されました。改定された受験資格は平成21年以降の入学者から適用されています。
平成21年以降の入学者
- 4年制大学+実務経験2~4年以上
- 3年制短大(夜間部を除く)+実務経験3~4年以上
- 2年制短大+実務経験4年以上
- 高等専門学校+実務経験4年以上
- 二級建築士資格+実務経験4年以上
- 建築設備士の資格+実務経験4年以上
- その他国土交通大臣が特に認める者
※この最終学歴以外に取得単位数によって必要な実務経験が異なり、単位数に応じて卒業後から2~4年以上で受験資格が得られます。
改定前の建築士法では建築実務経験は平成20年以前の従来の基準で判定され、平成20年11月28日以降の経験期間と合算することが可能です。
平成20年以前の入学者
- 4年制大学の建築・土木課程修了+2年以上の実務経験
- 3年生短期大学(夜間部以外)の建築・土木課程修了+3年以上の実務経験
- 2年制短期大学の建築・土木課程修了+4年以上の実務経験
- 高等専門学校の建築・土木課程修了+4年以上の実務経験
設計・工事管理に必要な知識・能力を得られる実務
一級建築士試験を受けるためには学歴だけでなく、実務経験要件も必要とされます。では、必要な実務経験要件とは具体的に何を指すのでしょうか。一級建築士試験の受験資格に該当する実務経験要件の内容例を紹介します。
- 建築物の設計
- 建築物の工事監理に関する実務
- 建築工事の指導監督に関する実務
- 次に掲げる工事の施工の技術上の管理に関する実務
イ 建築一式工事
ロ 大工工事
ハ 建築設備の設置工事 - 建築基準法第18条の3第1項に規定する確認審査等に関する実務
- 消防長又は消防署長が建築基準法第93条第1項の規定によって同意を求められた場合に行う審査に関する実務
- 建築物の耐震診断
- 大学院の課程(建築に関するものに限る。)において、建築物の設計又は工事監理に係る実践的な能力を培うことを目的として建築士事務所等で行う実務実習(インターンシップ)及びインターンシップに関連して必要となる科目の単位を所定の単位数(30単位以上又は15単位以上)修得した場合に実務の経験とみなされる2年又は1年の実務
参照元サイトURL:公益財団法人 建築技術教育普及センター
(http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-yoryo-jitsumu.html)※2021年10月調査時点
受験資格と実務経験
一級建築士の受験資格では大学の建築学科や土木学科、高等専門学校での専門課程の修了が欠かせません。その最終卒業学校によって、受験資格に必要な実務要件の経験年数が異なります。
しかし、専門学校・大学等を卒業していない場合でも、建設設備士の資格を取得して4年の実務経験があれば、一級建築士の受験資格が取得できます。
近年では建設設備に関する技術の必要性が高まっていることから、建設設備士の資格取得の門戸は広くなり、以前と比べると格段に資格を取得しやすくなりました。
そのため、建築に関する学歴がなくても9年以上の実務経験をつんで、建設設備士受験に合格してから4年の実務経験をつめば、最短では13年程度で一級建築士の試験を受けることが可能です。
一級建築士試験の概要
1年に1度実施される試験の概要は以下の通りです。
申し込み | 4・5月 |
---|---|
学科試験 | 7月:計画、環境・設備、法規、構造、施工の5科目 |
製図試験 | 10月 |
合格発表 | 12月 |
合格率 | 学科25.2%、製図33.5%、全体10.5%(2004年実績) |
試験に合格した後は免許申請を行う必要があり、以下がその概要です。
申請用紙 | 都道府県建築士会で配布 |
---|---|
申請窓口 | 住所地の建築士会または都道府県建築士主務課 |
登録免許税 | 6万円 |
免許証交付時期 | 申請後1ヶ月~2ヶ月程度 |
必ず免許の登録をする
一級建築士の試験に合格しても、すぐ建築物の設計工事管理を行うことはできません。資格取得後は、国土交通大臣の免許を受け取る必要があります。
免許を受け取って一級建築士名簿に登録を行なわなければ、一級建築士としては認められません。
登録を行なわずに一級建築士の名称を用いることや、一級建築士として工事管理を行なう・一級建築士事務所の管理建築士になると、1年以下の懲役か30万円以下の罰金に処される恐れがあります。
参照元:公益社団法人 日本建築士会連合会
(https://touroku.kenchikushikai.or.jp/kenitikusi-gaiyou/)
未成年者や取消処分期間などの間は免許を受けることができないため、その場合は、該当する期間の経過を待って免許取得や登録をするようにしましょう。
一級建築士になるための勉強方法
1級建築士の資格を得ることは、ゼネコンやハウスメーカーへの就職を可能にし、給料アップや出世の道も開かれるなど多くのメリットが期待できる一方、資格試験をクリアするのが難しいという現実があります。
1級建築士の資格をとりたい方は、試験合格の確率を高めるための勉強法を理解しておかなければなりません。
ここでは、1級建築士試験を突破するための勉強法について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
学科試験科目と出題内容
試験対策を紹介する前に、まずは1級建築士の試験科目と出題内容について確認しておきましょう。
1級建築士試験は「学科試験」と「設計製図」の2本立てになっており、学科試験をクリアすれば設計製図を受けることができ、両方パスして試験合格に至るという流れです。
1級建築士の学科試験科目は次のとおりです。
1級建築士学科試験の試験科目
- 学科Ⅰ「計画」
- 学科Ⅱ「環境・設備」
- 学科Ⅲ「法規」
- 学科Ⅳ「構造」
- 学科Ⅴ「施工」
学科試験は四肢選択式で125問。制限時間は6時間半。総得点で85~97点、学科Ⅰ~Ⅴまでそれぞれの科目で得点基準をクリアできれば合格となります。
出題内容もそうですが、総得点と科目ごとの合格ラインをクリアしなければならない点で、1級建築士の学科試験は難易度が高いです。従って合格するための勉強法としては、科目ごとにしっかりとした試験対策を行う必要があります。
設計製図の試験は、1試験につき1課題(テーマ)が与えられ、内容に沿った設計図書等の作成を行うというものです。設計製図の対策については後述します。
学科試験対策はひたすら過去問を解く
一級建築士の学科試験対策として有効な勉強方法は、ひたすら過去問を解きまくることです。その理由は、学科試験における過去問の出題比率はとても高く、7~8割ほどが過去問と同じような内容、又は多少のアレンジを施したものになるからです。つまり、過去問を理解したうえで解けるようになれば、学科試験合格に大いに近づくということになります。
参考書によるインプットも重要ですが、参考書の場合、知識のインプットはできてもアウトプット(解答)はできません。その点で効率が良くないのですが、過去問を解く方法なら、自分の得意分野と苦手な分野を見極めつつ、知識を吸収しながら解答する力も養われ、効率よく試験対策することができます。また、過去問を解けば問題の傾向やレベルを知ることにもなり、モチベーションアップにつながるでしょう。
配点の高い科目から勉強する
試験科目は複数あり、どこから対策していいやら…と迷ってしまう方もいるかもしれません。そういう方におすすめなのは、配点の高い科目から勉強することです。一級建築士試験では学科Ⅲの「法規」と学科Ⅳの「構造」がそれに該当しますが、このような配点の高い科目で十分な対策をしておけば、高い得点を挙げやすくなります。
全科目で対策は行わなければなりませんが、総得点を考えるなら、試験対策の優先順位は配点の高い科目がトップです。
特に「法規」は難易度が高く内容も理解しにくいため、できるだけ早いタイミングで試験対策を始めることをおすすめします。また、計算問題が出題される「構造」も多くの受験生が苦戦を強いられる分野ですから、早めに着手しておいたほうがいいでしょう。自分の得意分野と不得意な分野については、過去問を解くことによって理解を深められます。
製図試験対策はとにかく模写すべし!
一級建築士試験は学科だけでなく「設計製図」もあります。設計製図とは、テーマ(課題)に沿って設計を行い図面にします。どのように試験対策すればいいでしょうか。
ずばりおすすめは、模写を繰り返すことです。見本の製図を真似て書き写し、それを繰り返すことによって、標準的な寸法や製図のルールなど正しい作図の知識やスキルを吸収でき、制限時間内(6時間半)で書き上げるためのスピードも高められます。
画家や漫画家を目指している人の多くは、見本となる絵画や漫画の書き写しによるトレーニングで画力向上に励んでいますが、建築における設計製図もこれと同じです。模範的な図面を模写することによって、設計力と作図力を養えます。
ただし、試験対策として行う設計製図の模写は、何を見本にしてもよいというわけではありません。与えられた課題を念頭に置きながら、設計製図における過去問の標準解答例用紙に印刷し、それを見本に模写を行いましょう。
どこでどんなルートで勉強すべきか?
一級建築士は、どこでどんなルートで勉強していけばいいでしょうか?資格希望者の立場は学生、社会人と2つありますが、学生の方には大学を、社会人の方には専門学校に行くことをおすすめします。
大学の建築学科に入れば一級建築士試験の科目を修めることができ、なおかつ卒業と同時に一級建築士の受験資格が得られるからです。専門学校の場合も同様に認定校であれば、卒業してすぐ一級建築士試験を受けられます。
以前は、大学を卒業しても受験資格を得るために実務経験が必要でしたが、令和2年3月に法律が改正され、卒業と同時に受験資格が得られるようになりました。最短ルートで一級建築士を取得したいと思うなら、学生の方は大学の建築学科を、社会人の方は専門学校を検討してみるのも良いでしょう。
学費面で不安がある、就職サポートの厚い学校に行きたい場合は、その条件に当てはまる専門学校を選ぶのもアリです。
一級建築士試験を受験するタイミングはいつ?
資格取得は、早ければ早いほど良いです。一級建築士の学科試験については、在学中に過去問を解くことで合格は可能になります。
就職してからの資格取得を考えた場合、会社で実務経験を積んでいくと、設計の仕事が面白くなり、徐々に忙しくなっていくでしょう。そうなると、勉強時間を確保することは難しくなり、資格がなければ会社の出世コースから外れることもあるかもしれません。
一級建築士の資格を取得していれば、勤務先での有資格者の人数が増えるため、設計案件の入札で有意になります。社会評価も上がるでしょう。
今後は企業ではなく、個人で勝負する時代になると考えられます。独立して事務所を起こしたいと思い立ったときに、一級建築士の資格を保有していれば、他所から雇う必要もなく事務所にも箔がつくのがメリットです。
タイミングに関係なく、なるべく早めに資格を取っておきましょう。
一級建築士の試験をパスするためにすること
過去20年分の過去問を勉強し、確実にインプットできれば、合格ラインを超えられます。ただ、過去問20年分となると、かなりの労力が必要になるでしょう。
学生の場合は、教員に聞くのが手っ取り早い方法です。情報を得たら出題される問題に見当をつけて、そこを重点的に勉強すると良いでしょう。
大学の授業と並行して資格取得のための勉強を進めると、建築士の実際の仕事に必要な知識を意識的に学ぶことになるため、授業自体も楽しめます。
資格の勉強はスクールと独学どっちがいい?
一人で自分のペースで勉強が進められない人やサボりがちな人は、資格学校などのスクールで学ぶのがおすすめです。
資格学校を決めるときには、周りの先輩から情報を集めることが重要なポイントになります。どこの学校の先生がおすすめなど、有益な情報が得られるでしょう。
一方、自己管理がしっかりできる人であれば、独学でも合格できる可能性は十分あります。
独学で勉強する上で気をつけたいことは、「ゴールを明確にする」「ゴールへのプロセスを効率化する」「モチベーション維持」の3つです。
20年分の過去問を黙々と実施することで合格につながる確率も高まるため、ゴールをしっかり意識して取り組むことが大切となります。
マネージメント力を磨きたい方も、独学にチャレンジしてみても良いかもしれません。
学科試験の勉強の仕方
学科試験に合格するためにも、まず20年分の過去問を揃えてみることも検討しましょう。「建築基準法」に関しては毎年アップデートされていくため、最新版の改正内容を押さえておくことがポイントです。
勉強科目の順序は、まず構造や管理・設備などの理解系科目から取り組み、次に計画や施工などの暗記系科目へ進むと効率良く進められます。
法規については法令集の発売日にも関わりますが、時間がかかる科目のため後回しにしましょう。
二次試験(製図試験)の勉強の仕方
製図の試験は、まず過去の試験内容を探ることから始めます。どのような試験内容で、どのような答案が合格ラインなのかを押さえることがポイントです。
実際に二次試験に合格した複数人の先輩に、試験を再現した答案を見せてもらいましょう。その上で、ヒアリングしていくと良いかもしれません。
製図試験は、マニュアル的で枠にはまった図面を書くと、不合格になる確率も高いようです。
出題側も定型化されていく試験の対応策を嫌っており、回答についても一部のみでの公開となっているため、画一的な回答にならないよう注意しましょう。
一級建築士に受かる人と受からない人の違い
では次に、一級建築士試験に受かる人と受からない人の違いを考えてみましょう。
根気よく勉強を続けられるかどうか
過去問を解くにしろ、模写を行うにしろ、一級建築士試験の勉強はインプットとアウトプットの繰り返しであり、それをひたすら継続して数をこなしていくことです。毎日の積み重ねが重要であり、ステップバイステップ、根気よく続けられるかどうかがポイントになります。
毎日の試験勉強を根気よく続けられなければ、十分な試験対策を行うことができず、合格するのは難しくなるでしょう。逆に、しっかりとした目標と気持ちを持って勉強に取り組み、継続して行うことができれば、合格の確率は高まります。
ただの精神論のように思えるかもしれませんが、最良の学習法はリピート(繰り返し)であり、リピートを続けるには根気強さが必要なことを覚えておきましょう。
効果的な勉強方法を導入できているか
試験勉強を根気よく続ける方法は重要ですが、効果・効率の悪い方法で勉強を行いそれを続けたとしても、知識の吸収と試験対策を十分に行えません。この点も、試験に受かる人と受からない人の違いを分けるポイントになります。
試験に受かる人は、自分自身の得意分野と苦手な分野をよく理解し、出題傾向などの試験情報を分析の上、最適な勉強法を採用しますが、試験に受からない人は、自己分析や情報収集を行わず、効率の悪い勉強法を採用してしまいます。
“継続は力なり”ですが、継続する勉強法が本人に合わないもの、効率の悪いものであれば、続けても高い効果は得られないと知る必要があります。試験勉強を行うときは、冷静になって自分と出題傾向についての分析を行い、それを踏まえて、上述したような勉強法を実践し続けていくのが大切です。
効果的な勉強方法を根気よく続けられるかどうか…それが合格不合格を分けるポイントの1つです。
一級建築士の仕事内容・年収
一級建築士の仕事内容や年収について調べました。一級建築士になるには知識と技術の両方を身につける必要があり、専門学校での修学と実務経験が欠かせません。
一級建築士ができること
一級建築士は二級建築士と違い、設計・工事監理する建物の制限がありません。具体的には高さが13メートルを超える、もしくは軒の高さが9メートルを超えるものが一級建築士のみ設計や工事監理を行なえる範囲になってきます。
一級建築士の役割
主な就職先としては設計事務所、工務店、ハウスメーカー、建設会社、国・地方自治体など様々な方面で活躍が可能です。建築基準法で定められた法を遵守しながら、安全性や機能性を考えた建築物の設計を行ないます。
また、それだけでなく、建物の工事が設計書通りに実施されているかのチェックが欠かせません。この場合には、設計した者と別の建築士が工事監理を行なうケースもあります。
一級建築士の気になる年収
収入は厚生労働省【平成24年賃金構造基本統計調査】によると平均給与が44万円強、賞与などが83万円強で年収は合計600万円以上です。
二級建築士と比較すると年間で150万円~200万円ほどの差があります。
一級建築士の年収事情を徹底解説
一級建築士の年収は、平均年収として600~700万程度となっています。その中で月収にすると平均で約40万円です。
一級建築士は、一般的な家庭だけでなく、学校や百貨店などの施設の設計や工事管理を行なうことが可能となっています。
大企業の建築士がもらえる年収・給与・ボーナス
大企業の建築士がもらうボーナスは、年齢で違いがあり、最大年収となるのは50代の年収で働き盛りの30代の年収は500万程度で、ボーナスに関しても年齢を重ねるほど多くなるということが言えます。
その理由としては、経験や実績が必要になってくると言われており、すぐに良い給料をもらえるというわけではありせん。
年収を考えると大企業でも50代の頃が一番良い年収でボーナスに関しても多くもらえるようになります。
年齢 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
---|---|---|---|
20~24歳 | 330万円 | 200万円 | 82万円 |
25~29歳 | 360~450万円 | 250万円 | 100万円 |
30~34歳 | 350~450万円 | 280万円 | 110万円 |
35~39歳 | 410~510万円 | 320万円 | 130万円 |
40~44歳 | 450~580万円 | 360万円 | 140万円 |
45~49歳 | 520~640万円 | 400万円 | 160万円 |
50~54歳 | 580~690万円 | 430万円 | 170万円 |
55~59歳 | 580~690万円 | 430万円 | 170万円 |
60~65歳 | 360~900万 | 290万円 | 110万円 |
国税庁の年齢別階層年齢の比率の計算となっています。
ボーナスについては夏と冬を合わせて4ヶ月分で算出されていて、年収12で割った数値です。
このように一級建築士の年収に関しては、50代の頃が一番多いといえます。大企業の平均年収は670万円度で月額では420万円なっています。
中企業の建築士がもらえる年収・給与・ボーナス
中企業の建築士の年収550万円月額35万円です。都道府県により中企業の年収には違いがあります。また、建築士の大卒、短大卒、高卒でも違いがあります。
最終学歴 | 年収(50~54歳) |
---|---|
大卒 | 870万円 |
短大卒 | 650万円 |
高卒 | 550万円 |
建築士でも大学卒業している場合の年収が高くなるといえます。ボーナスでも最終学歴により、価格に差が出てきます。
小企業の建築士がもらえる年収・給与・ボーナス
小企業の建築士の年収としては500万円で月額31万円程度です。会社により建築の仕事が多い場合には、月収やボーナスも大きくなってきますし、仕事の案件の数により給料やボーナスが大きく関係してきます。
更にその中でも最終学歴などにより、月収やボーナスに変動があります。
役職別の役職者の年収・給与・ボーナス推移
役職 | 平均年収 | 平均給与 | ボーナス |
---|---|---|---|
主任 | 490万円 | 31万円 | 120万円 |
係長 | 620万円 | 38万円 | 155万円 |
課長 | 810万円 | 51万円 | 200万円 |
部長 | 900万円 | 56万円 | 220万円 |
このように役職により年収やボーナスに差が出ています。部長が一番良い待遇となります。
独立した場合の給与
建築士になりある程度の技術を磨いて独立したいと考える人も多いと思います。建築士は経験や実績が何よりも重要で、資格があってもいきなり独立するというのは難しいといますので、ある程度は経験を積む必要があります。
独立した場合に年収については、お客さんなどにより違いが出てきますが、以前勤めていた方とのつながりがある場合には、年収1,000万円以上も夢ではありませんが、逆に全く仕事が入らない場合もありますので、独立を考えている人は、人とのつながりを重要にして、技術もしっかりと磨いていくようにしましょう。
生涯推定年収
建築士になるためには、必要な技術や知識を学ぶ必要があり、大学や短大、専門学校などに通い建築士になるための知識を学ぶ必要があります。
建築士になり独り立ちできるまでにはかなりの費用が掛かると言われていますが、建築士の生涯推定年収は48年働いたと計算すると2億7,000万円程度となります。
学んだことを活かして技術をアップしていく事により、もっと年収を増やすことができますので最新の技術を身に付けていくようにしましょう。
一級建築士で1,000万円稼ぐための心得
一級建築士で1,000万円稼ぐためには、しっかりと経験を積んで独立することがおすすめできます。会社に専属する事により、給料やボーナスが決まっているために思っているように稼ぐことができず、会社に勤めるということは、会社の利益なども考える必要があり、自分が設計、建設した場合でも会社側に費用が入るようになっています。
しかし、しっかり経験と技術を身に付けて、独立し自分が設計、建設する事により費用はすべて自分のものになります。その他にも一級建築士になり、ある程度長い期間同じ会社に勤めることにより、役職がもらえるところまで頑張ることで年収1,000万円を目指せます。大切なことは、現代に通用する技術を身に付けることが大切です。
建築士になりすぐに独立するのではなく、様々な勉強をしたうえで、独立を考えるようにしましょう。会社に勤めている間も人とのつながりを大切する必要があります。独立の際には、しっかりとある程度の受注の目途があれば独立も夢ではなく夢をかなえることができます。
収入は多ければ多いほうがよいと思いますが、その中で大切なことはしっかりと丁寧な対応を行うということを忘れないようにして、一級建築士になり1,000万円の年収を目指すのであれば大学を卒業する事です。短大でも高卒でも資格を取ることで一級建築士を目指すことができますが、年収やボーナスなどに差が出てくるので、しっかりと学べる大学で勉強をすることが一番おすすめできます。
また、1.000万円稼ぐことができる年もあれば、不景気になれば収入が減ってしまうという場合もありますので、しっかりと考えて行動することを忘れないようにしましょう。
高校生が一級建築士を目指す場合
最短ルートを模索してみよう
建築士試験には受験資格が設けられています。一般的に、一級建築士への最短ルートとしてはまず建築学科のある短大に入学し、勉強した後卒業後に二級建築士資格を取得ことになるでしょう。
その後、実務を経験することで一級建築士受験資格を得て試験に臨み、合格するルートとなります。一級建築士の取得には二級建築士資格だけではなく、実務経験も必要です。そのため、学校の卒業と同時の資格取得はできません。
この点を踏まえると、2年のカリキュラムにて二級建築士の受験が可能な短大からの実務経験を経ての一級建築士取得が、最も若い年齢での一級建築士資格取得可能なルートとなっています。
学校に「行かない」という選択肢
一級建築士資格は建築に関連していない学歴の場合でも、実務経験を経て二級建築士や建設設備士の資格を取得し、さらに実務経験を積み重ねることで一級建築士への道が開けます。
時間もかかりますし、試験勉強も独学で取り組まなければなりません。勉強だけではなく試験の日程を調べたり、受験の申し込みや受験費用の払い込みなど全て自らで行ったりするのが大変だと感じるでしょう。
通学と比べると費用は掛かりませんが、毎日の仕事をこなしつつ、勉強や手続きまで行う点がデメリットです。決して「簡単に取得できる」とは言い難いでしょう。
学校に行かなくても一級建築士になれるのか
学校に行かなくとも、一級建築士になることはできます。学校での授業よりも、早く社会人として自立したい、あるいは現場で働きたい。そんな気持ちを持っている方も、現場での経験の中から一級建築士を目指すことも不可能ではありません。ただし、試験勉強から対策、試験以外の手続きや試験に関する情報収集などを全て対応しなければならないため大変です。
学校の場合、短大であれ専門学校であれ座学にて勉強の基本を教えてくれもらえます。独学の場合、そもそも何から勉強してよいのかも迷うことがあるでしょう。学費がかからない点は大きなメリットではありますが、建設業界に飛び込む際、資格やある程度の知識があった方が仕事もスムーズに進められるといえます。
小中学生で建築士への道を考えている場合
小学生の場合
将来は建築士になりたいと思い描いているとしても、まだ建築士としての専門的な知識を培う必要性は低いといえます。ただ、本気でなりたいと思っているなら、早い段階で勉強しておくのがおすすめです
また、他者とのコミュニケーションについても学んでおくと将来役立ちます。建築士のお仕事は「物を建てる」だけではありません。依頼者の要望に沿った対応も必要となります。
様々なコミュニケーションを経て知見を広めておけば、建築士やその他の職業でも対応しやすくなるでしょう。コミュニケーションを通して相手の気持ちに配慮することも、建築士になるうえで必要なスキルです。
中学生の場合
やはり進路を決める際には、ある程度「将来建築士になる」ことを意識したプランが求められます。進学する高校に土木学科や建築学科があった方が、将来のためになるはずです。美術への理解を深めておくのも良いでしょう。
スケッチは、将来設計士として働く際の設計で役立ちます。まだまだ自分の進路を決めるのは難しいかもしれません。ただ、設計士への想いが強いのであれば、他の進路を含めて色々と検討してみるのも1つの手段です。建築とは全く関係ない高校に進学したとしても、専門学校や大学、あるいは社会人になってからでも建築士資格の取得できます。どのような進路を選ぶにしても、最低限必要となる知識は学んでおきましょう。
学生のうちからやっておいたほうが良いこと
一級建築士になるため学生のうちからやっておいたほうが良いことは2つあります。一つは「過去問を使って、知るべきことを知る」、もう一つは「良作の図面を使って製図の決まりを覚える」です。これらを学生のうちからやっておくと学科試験が製図試験でライバルと大きな差が出ますし、社会人になっても多くのメリットを享受することができます。
過去問をチェック
過去問をチェックする目的は「知るべきことを知る」ことです。これは簡単に言えば、試験範囲を把握することです。試験範囲を知らなければ、どこから勉強していいか分からず不効率です。逆に言えば、試験範囲が分かれば勉強すべきこと、つまり「知るべきこと」がはっきりしているので、そこを集中して勉強(知る)すればいいので効率的です。過去問から逆算すれば試験に出る問題の傾向が浮かび上がってきます。それに合わせて知識を吸収していくわけです。
用語集を買ってすぐ調べられるようにする
とはいえ、勉強を始めた当初は基礎知識がないわけですから、過去問を見てもよくわからないのが普通です。とくに建設の世界は専門用語が多く、「かえってチンプンカンプンになって混乱してしまう」と心配する人も多いのではないでしょうか。そこで活躍するのが建設用語集です。過去問を見ていて、分からない専門用語があったら、すぐに辞書を引いて調べる。これを繰り返すことで少しずつ知識が蓄えられてきます。
製図についても勉強しておく
製図の決まりを学生の時から覚えておくことはもう一つの重要ポイントです。これを実践してスキルを上げることには多くのメリットがあります。また、社会人になってから製図の勉強をする余裕はありませんので、現場で活躍するようになってからも大きな助けとなります。
一級建築士製図試験は、2カ月で50枚ほど書ければ合格ラインまでいけるでしょう。ところが、学生時代の4年間にしっかり書ける枚数は4枚程度と言われ、圧倒的に作図量が不足しています。学生時代から必要な作図量をこなすことができれば製図試験は軽々とクリアできるでしょうし、一級建築士になってからの活躍の場も広がってくるのです。
CADだけでなく手書きしてみる
最近は作図をするのにCADを使うのが普通になっています。非常に便利なツールで、作図する側に力量がなくても簡単に図面が完成します。これに対して手書きによる作図は、基本的な寸法や形を頭に入れておく必要があります。IT化の時代、不効率な手書きよりCADに頼った方が効率的なのは確かですが、機械に頼ってばかりでは建築士のスキルは上がりません。
製図の決まりを知り、必要な知識を身につけるには、学生時代からトレースや模写をたくさんこなすことです。分量としては週1枚書くことをお勧めします。最初はかなり時間がかかると思いますが、学びながら書いていけば完成までの時間が早くなっていくはずです。
模型を作る
模型作りは、手間やお金がかかっても大切な作業です。学校の課題にも出題されますが、実務にいても模型はよく作られています。なぜ模型作りが大切かと言うと、設計図の建物がどんな形をし、建築物としてちゃんと成立しているのかが一目で分かるからです。BIM(コンピューター上に立体モデルを再現するツール)が少しずつ普及しているとはいえ、全部の建物をBIMで設計することは考えにくく、これからも模型は必要でしょう。模型を素早く作るスキルを身に着けておくと現場で必ず役に立つ時が来ます。
建物が出来るまでの過程を知っておく
机上の勉強だけでは本当の建築の世界は分かりません。建築現場では様々な建材がトレーラによって搬入され、重機によって組み立てられていきます。長年の経験で培った熟練の技を持つ職人も活躍しています。
実際の現場作業で建物がどうやって作られているのかを見っておくことは建築士にとってとても重要なのです。知識だけ蓄えて頭でっかちになってはいけません。現場をしっかり見ておけば、それは必ず構造計算や作図などの仕事に生かされてきます。
社会人の建築士資格取得
建設業界関係者の場合
それまで建築系の学校に通っていた訳ではないものの、建築業界で働く中で建築士になりたいとの目的を持つ社会人もいます。
この場合、考えられる方法としては独学で勉強を重ね、規定の経歴を満たして建築士試験を受験する。もしくは仕事のない時間に通える学校を選ぶ方法があります。学校の場合、費用はもちろん学校の都合に合わせたスケジューリングも必要です。宿題・課題があれば仕事で疲れていても対応しなけれいけません。
一方、独学の場合マイペースに勉学に取り組める点はメリットですが、仕事で疲れていると後回しにしてしまう恐れもあります。
建築業界外の社会人の場合
建築業界ではない、異業種から建築士を目指したいのであれば、学校に通ったほうが良いでしょう。建築士受験資格の実務とは、あくまでも建設業界での実務です。異業種での実務は含まれないので、独学で一から学ぶにはやはり時間がかかります。
その点、専門学校であれば2年~3年の勉学の後、二級建築士試験受験資格を得ることが可能です。二級建築士試験に合格し、実務経験を積むことで一級建築士への道も見えてきます。むしろ学校であれば、どこから勉強するのかなど詳しくレクチャーしてもらえるので、異業種から建築士を目指すのであれば学校に通ったほうが良いでしょう。
社会人に用意されている選択肢
社会人が建築士を目指す場合、考えられる選択肢としては独学と学校があります。独学に関しては全て自分で行うことになるので、イメージしやすいかもしれません。一方、学校の場合はいくつか選択肢があります。「社会人が入学するなら」という視点から、それぞれ解説していきましょう。
短大を含めた「大学」
短大を含めた大学の場合、まずは入試に合格しなければいけません。社会人枠がある場合、書類選考のみで入学が可能なケースもあります。入学後は学生として通い勉強しますが、社会人の場合だと現実的には二部(夜間)での勉強となるでしょう。
ほぼ毎日のように通うことになるので大変ではありますが、しっかりと勉強を教えてくれるうえ大学なので充実した設備が用意されているのもメリットです。
専門学校
専門学校の場合、書類審査のみで入学できるケースが多いので、入学のハードルそのものは高くはありません。大学同様昼間のコースもあれば夜間のコースもあるので、この点においても自分のライフスタイルに合わせた選択肢を選べます。
また、専門学校の利点として就職に強い点がメリットです。社会人でも異業種へのチャレンジをと考えている場合、専門学校の就職率の高さは「転職」を容易にしてくれるでしょう。試験対策に時間を割いてくれる専門学校も多くあります。専門学校側としても合格率や就職率をアピールしたいので、その点に力を入れているのがポイントです。
通信教育
通信教育も用意されていますが、こちらも広い意味では「独学」に近い考えて良いでしょう。完全な独学と比べると、勉強する部分が分かりやすい点、講師とのやり取りが発生するので分からない点を文章などで質問できます。
ただし、どれだけ勉学に取り組めるかあくまでも自分次第です。もしも勉強が遅れてしまったとしても、何も言われません。学校であれば周囲の存在が刺激になったり、あるいは講師から叱咤激励があるでしょう。しかし、通信教育は基本的に自主性が問われるので、自分自身の勉学への意思が求められます。
建築士になるために!噂の真相
専門学校よりも大学を出た方が良いの?
就職や転職のことを考えると、大学を卒業しておいた方が良いとの声があるのは事実です。しかし、建築士資格取得は大卒が必須ではありません。むしろ、就職率の高い専門学校であれば、大学を卒業するよりも実務に就きやすいと考えることもできます。転職に関しては学歴よりも職歴重視なので、決して大学卒業が有利とは言い切れないのがポイントです。
実際、有名建築家の全員が大卒ではありません。建築士になるためには、学歴だけでなく自分自身の経験やスキルも大切なポイントです。
実際社会人になってからでも建築士を目指せるの?
異業種から建築士を目指すことは、簡単ではありません。自力で勉強するとなれば、さらにハードルは高まるでしょう。しかし、決して不可能ではありません。専門学校に入学することで、ハードルの高さを解消できます。完全な独学の場合、勉強はもちろん専門用語の理解など、初歩の初歩から勉強しなければいけないため、勉強を始めたばかりの頃は進めにくいかもしれません。
専門学校であれば分からないことを質問できますし、生徒の力に応じたカリキュラムを組んで貰えるので、徐々にステップアップしていけるでしょう。
どの専門学校でも同じ?
専門学校であればどれも同じと考えている人もいるかもしれませんが、カリキュラムや就職実績だけではなく、学校内の設備もそれぞれ異なります。講師の陣容や理念など、学校によってそれぞれ違いはあるので、専門学校への進学を考えているのであればそれぞれの特徴を踏まえて選びましょう。
自分が通いやすいエリアだけでなく、コストやサポートなども比較して決めるのがおすすめです。
一級建築士を目指すなら
一級建築士になるには、受験前の実務経験や合格後の仕事のことを考えると、就職に強い学校のサポートも重要です。建築専門の学校選びは、一級建築士としての将来に大きく影響します。