建築をデザインするうえでの考え方とは?
良いとされる建築デザインには特徴がありますし、デザインは建物の機能性や美しさを大きく左右する要素です。ここでは、建築デザインの考え方やポイントをご紹介します。
建築デザインとは
建築デザインとは、公共の建築物などで外観や機能性などを含めた総合的なデザインのことを指します。作る側はどのような機能が必要なのか、また何年使う予定なのかを含めて建築デザインを設計しなければいけません。
建築家のデザインの考え方や良い建築デザインの考え方ができているかによって、優れた建築物が完成するのか左右されるでしょう。
建築デザインの考え方
建築デザインを学ぶときには、まず考え方を身に付ける必要があります。基礎を学ぶこと、また色彩感覚などは、建築デザインの考え方を取り入れる上で大切です。
基本を学ぶ
物事には基本があります。基本を学んでから応用ができるようになるのは、建築の世界でも同じです。デザインにも基本となるものがあり、建築デザインを語る上でも基礎を覚えなければいけません。
建築デザインは機能や強度、さらに法的な要素を満たす必要があるからです。もし見た目に優れた建築デザインができたとしても、機能や強度に問題があるなら良いデザインとは言えません。建築の基礎を理解しておく必要があります。
色彩感覚や質感を養う
建築デザインで大切な要素となる色彩感覚や質感。色彩の組み合わせは学校でも学ぶ点ですが、自分でも学び続ける必要があります。例えば、街の中にある建築物は色彩感覚や質感を磨くのに役立つ教材です。
外壁の組み合わせや窓の位置、外構のデザインなど、色彩や質感を学ぶヒントは多くあります。公共施設や店舗などのインテリアもデザインのヒントになるので、意識的に見るようにするとよいでしょう。
良い建築デザインの考え方のポイント
良いとされる建築デザインのポイントを見ていきましょう。
コンセプトがはっきりしている
コンセプトがはっきりしていることは大切です。設計者の意図や目的が分かりやすいデザインは欠かせません。建築家と依頼者の意見によって、こだわりが反映されたデザインになるでしょう。例として、南向きに窓を配置したのであれば、光を取り入れやすい家だと分かります。物語を決めてデザインに反映している建物もあり、住宅を建てるのであればその人の要望に合ったコンセプトが必要となるでしょう。
顧客のニーズに応えている
顧客が重視したい機能を盛り込むことも必要です。建築デザインがよくても、長期的に機能が備わっていないならよい建築物とはいえません。長年住む建築物では、家族構成の変化や年月の経過による内外装の変化まで見越して設計します。敷地の特徴を考慮しながら、顧客のニーズを満たせるようにデザインするするのが重要です。
シンプルにしている
建築物をシンプルなデザインにすることも、良い建築デザインとされる条件の1つです。無駄な物を削り取ることがデザインの改善につながります。シンプルなフォルムにしたり、装飾を施さないままにしたりすることも美しいデザインにするポイントです。素材の質感が強調され、独特の良さを前面に出すことも評価されます。
ディティールにこだわっている
建築物の設計の段階では、「問題を解決する」ことに重きがおかれることもあります。しかし、その際にディティールを考えているかどうかでも建築物のデザイン性が左右されるので、その点も覚えておきましょう。解決方法に美しさがあると、結果として建築物全体の美しさが際立つでしょう。日常生活で手に触れるところ、目にするところでディティールにこだわっていると、デザインの良さが光る建物になります。
五感を大切にしている
写真で見る場合には、視覚からデザインの良さを判断します。ですが、建築物は五感を考慮したデザインにすることも大切です。海辺の家であれば、不要な波の音を遮断できるようにします。図面で設計するだけでなく、実際に住んで体験する観点から考えられた建築物は、快適な居場所となるでしょう。
周辺環境を考慮に入れている
住宅地に建てる建物の場合には、周辺環境に溶け込めるようなデザインにします。観光地であれば建物の高さが限られていたり、色合いに制限がかけられたりする場合もあるでしょう。自然環境に囲まれているなら、森林環境を残すようにしておくのも大切です。周囲とのバランスに優れた建物も、良いデザインとされます。