社会人は夜間を上手く利用しよう
社会人が建築士になるには(建築士の国家資格をとるには)、勉強と仕事を両立させて資格取得を目指せる夜間の専門学校もあります。ここでは、社会人におすすめの夜間専門学校について紹介しています。
夜間の専門学校で働きながら資格取得を目指せる
建築士の国家資格を取得するための知識や技術は、専門学校の夜間クラスでも学ぶことができます。
社会人が仕事を続けながら受験を目指すことは、一見非常に難しいように思われているはずです。しかし、社会人でも働きながら試験に挑むことができます。
建築士の受験資格がもらえる夜間学校とは?
夜間学校に通っている人は、資格の取得を目的としていることがほとんど。従来の学校との違いはありますが、中でも特徴的なのは夜中に授業が行なわれるということと、昼間の学校に比べると生徒の年齢層が幅広いということです。
しかし、これら以外従来の専門学校と変わりありません。卒業すれば通常の学校と同じく資格を取得することが可能です。そのため、社会人でも働きながら資格取得を行なうことができます。
また夜間専門学校の中には、二級建築士の資格を取得できるところも。二級建築士の資格を得たあと、4年の実務を経験すれば一級建築士の資格を受験する資格を得ることができるため、夜間でも一級建築士を目指すことが可能です。
その他に、インテリアプランナーやコーディネーターなど、建築関係の職業に関する資格も取得できます。
未経験者は二級建築士の資格取得を目標に
学歴も実務経験もない場合は、まず二級建築士の資格取得を目指しましょう。
専門学校で建築を学ぶと、卒業と同時に二級建築士の受験資格を得ることができます。この場合は実務経験も必要ありませんので、必要な科目をしっかり履修するだけですぐに受験できるという利点があるのです。
夜間の建築専門学校のメリット・デメリットについて
夜間の専門学校には、昼間の専門学校とは違った特徴やメリット・デメリットもあります。どのようなメリット・デメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
メリット1:学生のモチベーションが高い
夜間の専門学校に通う人は、昼間働いていたり他の学校に通っていたりという人も通っているのが特徴です。日中自由な時間が確保できないため、夜の隙間時間を削ってまで学校に通っている人が集まってきます。そのような人たちは学ぶ目的が明確で、建築に関することに深い興味がある意識の高い人ばかりなので、専門的にしっかりと学べる環境が整っているのがメリットです。
モチベーションの高い学生が周りに多いため、自然と自分も意識高く学んでいけるでしょう。
メリット2:共通の考え方を持つ人が集まる
4年制の大学や昼間の専門学校の場合、現役の若い学生が多く、将来がまだ不明確でなんとなく建築の勉強をしている人もいます。夜間の専門学校の場合は、社会経験があり、明確な目標を持ってスキルアップ、キャリアアップを目的に入学してくる人が多い傾向にあるのがポイントです。
建築士の受験資格を満たすため、実務としての建築を学ぶためというように共通の考え方を持った人が集まるため、学びの場として非常に優れていると言えるでしょう。
メリット3:年齢や経歴が異なる人と交流を持てる
夜間の専門学校の学生は現役の若い人から、定年近い年齢の人まで幅広い年齢層の人が在籍しています。さまざまな人たちと同じ教室で授業を受けていけるのが、夜間のメリットです。様々な世代の人と交流を持つことは、自分の概念にはない考え方をたくさん吸収し、多くを学ぶことができるので貴重な交流や経験を得られるでしょう。
デメリット:自学自習が求められる
夜間の授業では初めのうちから専門用語が多く用いられたり、理解していることを前提に授業が進んでいきやすかったりするのが特徴です。社会経験があったり、建築の仕事を経験していたりする人向けの内容の授業となると、現役の学生では理解しにくいことも多いかもしれません。
そのため、ある程度は自学自習できる環境や時間を持つことが最低限求められます。昼間の学校でもそれは必要なことですが、夜間の場合はより必要となるでしょう。
実務経験が必要な一級建築士の受験を視野に入れた夜間学校も
一級建築士を目指す場合は、学歴に加えて3~4年程度の実務経験が必要です。実務経験の年数は学歴によって異なるほか、同じ専門学校でも在籍する学科によって違いがあります。
最短で受験を目指したいのであれば、専門学校で得られる学歴と必要な実務経験年数とをきちんと比較したうえで、学習計画を立てましょう。一級の勉強はさらにハイレベルな内容になりますが、そのための授業を夜間クラスで教えてくれる専門学校もあります。
また、卒業後は実務経験を積む必要がありますので、就職や転職のサポートもしてくれる夜間専門学校を選ぶと良いでしょう。
受験資格がもらえる夜間の授業内容
夜間専門学校によくある授業内容の例を紹介します。
基礎カリキュラム
基本的に従来の学校の授業と内容はほぼ同じです。高校までの復習も兼ねた基礎カリキュラムから始まり、建築物の構造研究や現役の建築士による講義など、基本的なカリキュラムに違いはありません。
仕事のフォロー
人によっては夜遅くまで働いていることもあるため、専門学校によっては忙しい人達のフォローをしてくれるところがあります。夜間学校へ通う前に、どういったフォローをしてくれるのか確認しておいた方が良いでしょう。
二級建築士試験対策講座
基本的には1年目で建築の基礎知識を学び、2年目に実践や応用を学ぶことになります。それに並行し、卒業後に受験資格を得られる二級建築士試験に一発合格できるように対策講座を行なっている夜間学校が多いです。
アルバイトは実務経験として加算されないので注意が必要
夜間クラスの受講生の中には昼間建築関係のアルバイトをして実務経験に加算しようと考えている人がいますが、受験資格を得るための実務経験には加算されません。科目指定を受けた学校を卒業したあとに就いた仕事が、実務経験として見なされます。
また、夜間専門学校だと仕事との両立が難しくなってしまうことも。仕事と勉強のどちらも中途半端になるケースも珍しくありません。両方とも中途半端になってしまってはもったいないので、昼間の専門学校に通って集中的に勉強するのがおすすめです。