施設の種類と特徴
施設の種類は福祉系や児童系などたくさんあり、求めるものによってデザイン性や機能性は異なります。社会にとって必要な施設であり、建築業界に携わるなら知っておいたほうがいいものです。施設の種類と特徴をご紹介します。
福祉施設
正式名称は「社会福祉施設」です。高齢者や子供や障がい者を対象に、福祉サービスを提供します。利用者が自立して生活できるよう、日常生活や技術指導を通じたサポートが目的です。福祉施設の内容は大きく4つに分かれており、提供するサービス内容は異なります。
高齢者向け施設
介護や支援が必要な高齢者を対象に、施設にて介護サービスを提供します。高齢者向け施設といっても、サービス内容や利用料金や利用条件が違ってきます。
特別養護老人ホーム
在宅で日常生活を送るのがむずかしくなり、介護が必要となった高齢者をサポートする施設です。公的な施設のため、リーズナブルな価格に設定されています。建物の中にはGOOD DESIGN AWARDを受賞したような、デザイン性の高いものもあります。小規模か大規模で経営状態に差があることも多いです。安定しているのは大規模なところでしょう。
養護老人ホーム
介護が必要ではなくても、身体や精神的なこと、お金や環境の状況により、自宅での生活を送るのがむずかしい方を対象とした施設です。利用者が支払う費用は、前年度の収入、災害、生活保護の適応を受けられるかどうかで変わります。条件次第では、月額0円で利用できるケースもあり、経済的に厳しい方には大きな助けです。夜間も職人が1人以上配置しているため、高齢者1人暮らしより安心感があります。
軽費老人ホーム
自立して生活がむずかしい、60歳以上の高齢者を受け入れる施設です。世話になれるような身寄りがいない、家族のサポートが受けられない方が対象で、介護が必要だと入居できません。規模が大きな施設もあり、無料や低い金額で利用できます。タイプ別に分類でき、食事サービスがあるA型、自炊はB型、食事と生活支援サービスがあるC型、いわゆるケアハウスです。
老人デイサービスセンター
主に、社会福祉法人や市町村が提供しており、入居するタイプではなく、65歳以上の身体的、精神的な問題があって日常生活を送るのが困難な高齢者が利用できます。食事や入浴や機能訓練を受けられ、他にも、健康チェックや日常生活動作、レクリエーションやアクティビティなどのサービスも提供しているのが特徴です。同じ立場の方たちとのコミュニケーションの場としても機能しています。
老人短期入所施設
ショートステイとも呼ばれ、短期間だけ入所できる施設です。65歳以上、家族が病気にかかったという理由で在宅での介護がむずかしくなった方が利用できます。利用料は、要介護度の度合いや部屋のタイプ、利用日数により変動。入浴や食事や、機能訓練を行い、自立して日常生活上を送るための相談やサポートを提供します。
認知症高齢者グループホーム
認知症高齢者を対象に、共同生活住居サービスを提供しています。認知症ケアの知識と経験を持った介護スタッフによるケアを受けられるのも特徴です。入居条件は、要支援2以上の認知高齢者や医師の診断、グループホームがある市町村に住民票があることです。入居者同士は家事を分担し、認知症の進行を緩やかにし、落ち着いた気持ちで過ごすことを目的としています。
老人保健施設
入院治療は不要で、病状は安定しているが、医療ケアやリハビリが必要な65歳以上の要介護度1~5の高齢者が対象です。医師の管理に基づいて、看護や介護、リハビリテーションを行い、食事や入浴サービスも受けられます。介護老人福祉と異なり、最終目的は在宅復帰です。
介護療養型医療施設
重度要介護者を対象に、医療処置やリハビリを行います。医療施設のため、看護師のサポートが充実し、インスリン注射や痰の吸引、経管栄養のような医療処置が可能です。食事や排泄の介助を行い、回復期の寝たきり患者のケアを中心に行いますが、あくまで医療機関として位置づけられています。費用は、介護老人保健施設より高めです。
居宅介護支援事業
要介護者が適切なサービスを受けられるよう、介護サービスの手続きを代行します。要介護1~5認定が対象者で、ケアマネージャーに相談して具体的なケアプランを決定。ケアプランに基づき、事業者や関係機関が連携し調整を行っていきます。ケアプランを含めたケアマネジメントサービスは、介護保険が適用されます。
地域包括支援センター
介護や福祉、医療や保険に関する総合相談窓口で、介護保険の申請窓口も行っています。担当スタッフは保健師や看護師や社会福祉士やケアマネージャーで、専門知識を持っており、相談内容に基づいて生活のサポートをしてくれます。内容は居宅介護支援事業所と似ていますが、要介護認定を受けているかどうかは関係なく、すべての高齢者の相談を受け付けるのが異なる点です。
老人居宅介護等事業
65歳以上、身体や精神的な障がいを持っている方をサポートします。利用者の自宅において、食事や入浴、排泄や家事、介護全般に関する相談やアドバイスを実施。利用者本人や、扶養義務者の収入で利用負担額が変わります。
訪問入浴サービス
要介護者が、自らの自宅で専用の浴槽による入浴のサポートを受けられます。要介護1~5認定、医師から入浴の許可を受けている方が利用可能です。要介護者が自力で入浴できない、家族の介助だとむずかしい場合の負担軽減を目的としています。
訪問看護サービス
ずっと住んできた家や地域で、訪問介護サービスを受けられます。対象は、病気や障がいを持っており、在宅療養をしている方です。訪問看護ステーションから介護士や理学療法士、作業療法士が訪問して看護ケアを行ってくれます。主治医の訪問看護指示書が必要です。
児童向け施設
乳幼児から幼児が対象です。保護者に変わって、乳幼児を保育してくれます。両親共働き、病気で育児がむずかしい方などは助かるサービスでしょう。
保育所
保護者の委託による、乳幼児や幼児を保育する施設です。保護者が仕事をしている、病気により家庭で保育をするのが困難な場合に、乳幼児を預けられます。保育士が、養護と教育を行ってくれるのが特徴です。乳幼児の保育以外にも、施設利用者、地域の子育て家庭を対象に、育児に関する相談やサポートも行っています。
認定こども園
幼児教育と保育を行います。幼稚園と保育園の両方のいいとこ取りをした施設です。認定こども園は内閣府が管轄していますが、厚生労働省や文部科学省も関係しています。認定こども園も複数種類あり、幼保連携型や幼稚園型、保育所型や地方裁量型に分類できるのが特徴です。